そこでまた音楽に救われる
「グループ時代のほうが、誰かと自分を比較することは多かったはずなのに、劣等感は今のほうが強くなっているんです。約8年間をかけてアイドルとしての自信を培ったので、同じぐらいの期間をかけないと、ソロとしての自信は持てないだろうと思います。
ソロになってから5年が経ちますが、思っていた以上に自分自身のふがいなさを感じる場面が多いんです。グループのときは周りに助けられていたのが、そういう機会が少ないので、そう感じることが多いのかもしれません。すべてが自分の責任になってくるので、つい自分を責めてしまうんです。
ただ、そういう劣等感にこそ、生かされてきたのかな、成長させてもらってきたのかな、と思います。だから、劣等感がなくなるときは伸びしろがなくなるとき。きっと、第一線で活躍されている方もそういうところがあるに違いないと思って、自分を鼓舞しています。
劣等感を感じる時ほど創作意欲が湧くこともあるんです。矛盾を感じながらも、そこでまた音楽に救われる。気持ちを吐きだす場所があることに、助けられているな、と感じています」
(構成/ライター・小松香里)