有罪判決を受けた松本淳一郎安倍派事務局長

安倍派事務局長は法廷で世耕氏と食い違う説明

 自民党裏金事件では9月30日、安倍派の事務局長兼会計責任者の松本淳一郎被告に有罪判決が言い渡された。裏金事件の中心となった安倍派の責任を負う形で在宅起訴された松本事務局長は、世耕氏と同じNTTの出身で、政治の素人だったが、世耕氏から請われて19年に派閥の事務局長になった人物だ。

 松本事務局長は自らの裁判の被告人質問で、いったんは中止となった派閥から議員へのキックバックを再開したことについて、

「2022年8月の幹部会議で継続が決まった」

 と述べ、波紋を呼んだ。政治倫理審査会や会見で世耕氏ら安倍派幹部は、

「8月の会議では結論が出なかった」

 と説明しており、明らかに食い違っていたためだ。

 松本事務局長に出された判決文は、

〈(松本被告は)収支報告書の虚偽記載の前提となるノルマ超過分の処理について清和研会長や幹部らの判断に従わざるを得ない立場にあり、権限には限界があったことは否定できない〉

 と世耕氏ら安倍派幹部の責任にも言及した。

 世耕氏にはまず、裏金事件の真相をきちんと説明することが求められている。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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