※写真はイメージです(gettyimages)
この記事の写真をすべて見る

 税金をできるだけ安く済ませるにはどうしたらいいのか。実業家の堀江貴文さんは「知名度がありながら、7人に1人しかやっていない『超絶太っ腹な制度』がある。お得しかないので、やらない手はない」という――。

※本稿は、堀江貴文『ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

増税をグチるまえにやるべきこと

 会社員は増税のターゲットにされやすい。個人事業主は自分で所得税を計算して納税するが、会社員は給与から自動的に天引きされるだけだ。だから実質的な増税を課されても実感しづらい。また個人事業主に比べて税制にまつわる知識も不足しがちだ。

 さらに言えば、彼ら現役世代の投票率の低さも問題だろう。2021年の衆議院議員総選挙での40代以下の投票率は46%(※1)。あまりに低い。増税に鈍感で、税制の知識も乏しく、投票にも行かない。となれば、会社員が狙い撃ちされるのも仕方ない。

※1 総務省「国政選挙における年代別投票率の推移について」

 そんな税金弱者の会社員だが、頼れる味方はいる。だれでも簡単にできる節税対策がある。NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、ふるさと納税がその代表格だろう。

 特にふるさと納税は太っ腹な制度である。ふるさと納税は、都道府県や市区町村にお金を寄付することで、その寄付金額のうち2000円を引いた残り全額が、住民税・所得税から控除される制度だ(※2)。

※2 控除とは、一定金額を差し引くことを意味する。税金の控除には2種類ある。「所得控除」は課税対象となる所得額から差し引くこと。「税額控除」は納めるべき税額から差し引くこと。一般的に税額控除のほうが節税効果は大きい。ふるさと納税では、この税額控除が適用される。

 なぜそれが太っ腹なのかと言えば、寄付先からその支援のお礼として返礼品(その地域の特産品やサービスなど)が届くからだ。

「ふるさと納税をやらないやつはアホ」

 ふるさと納税において自治体が返礼品を用意する際の費用は、寄付額の3割以下という決まりになっている。つまり、あなたが10万円のふるさと納税をした場合、それと引き換えにだいたい3万円くらいの品を受け取れるわけだ。

 その10万円はどのみち支払わなければならない10万円である。通常の税金のまま徴収されて終わりにするのか。もしくは、ふるさと納税により3万円の品を手にするのか。どっちが得だろうか。考えるまでもない。ふるさと納税をしないやつはアホだ。

次のページ