サッカー選手の現役時代は、切れ味鋭いドリブルと卓越したパスセンスを武器に、日本を代表するMFとして活躍した前園真聖さん(50)。現在はサッカー解説者、タレントとしてテレビ、YouTubeなどで多忙な日々を送っている。【後編】のインタビューでは現役引退後、飲酒による暴行事件を起こした際に手を差し伸べてくれたラモス瑠偉さんや、鹿児島実業高校時代のサッカー部監督で恩師の故・松沢隆司さんから伝えられたメッセージ、仕事に向き合う姿勢が変化したことなどについて語ってくれた。
――現役引退を決断されたのが31歳でした。2004年に韓国の仁川ユナイテッドFCでプレー後、セルビアのクラブに練習参加されましたが本契約に至らず、05年5月に引退を表明しました
もう少しやりたいなという思いはありましたけど、辞めようか気持ちが揺れている時点でダメだなと。サッカー人生を振り返ると順風満帆ではありませんでした。キャリアの途中から思うようにいかなかった時期が長かったですしね。ただ、いずれは次のステップにいかなければいけません。どのタイミングで引退するのが正解かは分からないですが、決断に後悔はなかったですね。
カズから得たこととは
――ヴェルディ川崎(現、東京ヴェルディ)や日本代表で共にプレーした三浦知良さんは、57歳の現在もJFL・アトレチコ鈴鹿でプレーしています
1994年に日本代表に初めて入ったとき、カズさんはスーパースターとして活躍されていました。当時はカズさんの会話を聞いたり、食事で何を食べているのか見たり、すべてを盗んでやろうと常にそばにいたのを覚えています。練習に取り組む姿勢、試合、コンディション管理、ピッチ外の振る舞いとすべてが一流で、たくさんのことを学ばせていただきました。
先日もお会いしましたけど、サッカーに向き合う情熱が若いときとまったく変わらない。年齢を重ねると昔のようなプレーが当然できなくなります。スピード、体力が落ちると技術が発揮できなくなるし、試合の出場機会が減るけど、カズさんは今も自分を追い込んでトレーニングしている。僕が言うのはおこがましいですが、カズさんが納得するまで現役でプレーしてほしいですね。