自民党内に西村前経産相を推す声
すでに県内政界では知事選を踏まえた動きが活発化している。
自民党幹部によれば、党内には前経済産業相の西村康稔衆院議員を次期知事選にという待望論があるという。西村氏は裏金問題で自民党から1年間の党員資格停止処分中だ。
西村氏が地盤とする兵庫9区には、前明石市長の泉房穂氏がバックアップする橋本慧悟県議が次期衆院選で立憲民主党から出馬することを表明している。
自民党幹部がこう話す。
「泉氏が橋本氏陣営にどっぷり入れば西村氏は小選挙区で勝てない。衆院の解散総選挙が早いと西村氏は党員資格停止中で無所属での出馬となるので、比例復活がない。それなら知事選に出て、自民党と公明党がバックアップすれば勝てるとみている。それに前回の知事選で西村氏は斎藤知事の自民党の推薦を強力にプッシュした責任もある」
党員資格がない裏金議員の西村氏を自民党が支援するというのは、あまりに有権者をばかにした話ではある。自民党は前回の知事選で斎藤知事を推薦し、5000万円近くの選挙資金を提供したが、その反省もみられない。
自民党幹部は、27日の自民党総裁選を踏まえて、こう話す。
「斎藤知事には、辞職して次の知事選には出ないでほしいという党の意向を遠巻きに伝えてきた。新総裁の意向次第だが、早期の解散総選挙となると知事選と衆院選が重なることもある。斎藤知事の悪評は全国にとどろき、顔が知れ渡っている。斎藤知事を自民党が推薦してきたことは、衆院選にも確実に影響する。新総裁もそこは検討事項になるでしょう」
また知事選では、元経産官僚で兵庫県産業労働部長も務めた中村稔氏の名前も出ている。
AERA dot.の直撃に中村氏は、
「知事選には政党の推薦がなくとも出馬する決意。私の経験を生かして斎藤知事の問題で止まったままの県政を前に進めたい」
と出馬を明らかにした。