都内の会社に勤める男性(40)も、20代の頃に上司から「どう思う?」「感想は?」と繰り返し聞かれたことがある。上司の狙いが見えなかったため当たり障りのない答えを返すと、「つまらない」と一蹴された。当時はモヤモヤしたが、自身が「上の世代」になった今思うことがある。
「若手とコミュニケーションを取らなければという意識はあるけど、何がよくて何がダメなのかも難しい。『どう思う?』は使い勝手のいい言葉だなと気づきました」(男性)
雑なコミュニケーションによるモヤモヤを防ぐ方法の一つが、日頃からいろんな年代の人と話すこと。そのときには相手を知ろうとする姿勢も重要になる。
そして、最も大切なことがある。田中さんは言う。
「相手に『期待しすぎない』ことです。価値観も考え方も違って当たり前だと思うことが、世代間ギャップを埋める第一歩です」
(編集部・福井しほ)
※AERA 2024年9月23日号より抜粋