「新NISA口座は8月2日も5日も買い越しで、買いが売りの2倍でした。意外ですね」
え? 買い越し? 取材時に大きな声を出してしまった。もちろん新NISAでの売却はゼロではないため「新NISA損切り民」はいるだろうが……。下落をチャンスと見て買いを入れた人のほうが多かった、と。
「新NISAの今年の枠を使い切らずに、一時的な下落を待っていた人がいたようです。そういう人が一気に買ったため、新NISAは売りより買いが2倍になったと推測しています」
今後、こういった暴落時にネットで「みんなが売っている」と騒ぐ人を見ても怖がらないでほしい。「みんなが(売っている)」には何の根拠もない。
では、8月5日の週はどんな銘柄が売られ、どんな銘柄が買われたか。課税(特定+一般)口座と新NISA口座、それぞれで上位30銘柄を出してもらった。
人気株が売られ買われ
課税口座では、三菱UFJや三井住友をはじめとするメガバンク株、トヨタ自動車、三菱重工業……「もともと人気で、持っている人が多い株」が売られており、逆に買われてもいる。そして野村「NEXT FUNDS」などのブル・ベア型ETFが目立つ。課税口座の売り3位・買い1位の「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ」は日経平均の2倍の値動きをする東証ETFで、わかりやすくいうと「上がるほうに賭けている」。逆に「日経平均ダブルインバース」はマイナス2倍で動く仕組みで、株価が下がると儲かるETF。レバレッジとダブルインバースのどちらもランクインしたが、表の順位を見ると納得感がありすぎる──。
新NISA口座で売られた銘柄のトップは日本たばこ産業、2位が三菱UFJ FG、3位がNTT。買われた銘柄の1位は三菱UFJ FG、2位がNTT、3位がトヨタ自動車。やはり売りにも買いにも、新NISAで人気の銘柄が入った。売られたほうには米国株のETFやインド株のETFなども。