今川秀悟
「相手の心理状況を読むことに長けている」
「三塁の坂本が前に猛ダッシュを仕掛けてくるのが、石田の視界に入ってくる。あれだけプレッシャーを掛けられると決めるのは難しい。バントシフトで三塁が猛ダッシュを仕掛けるのは他の内野手でもできるのですが、坂本はポジション取りが絶妙なんです。バスターを仕掛けようかとするタイミングで少し下がってから前にチャージを掛けたり、相手の心理状況を読むことに長けている。三塁にコンバートしてまだ日が経ってないですが、試合の流れを呼んでプレーしている。坂本は数字には表れない部分での貢献度が高い。遊撃のときもバッテリーの配球を読み、守備位置を変えてチームを救ったプレーを何度も見てきました。スタメンで出場した試合の勝率が高いのは決して偶然ではないと思います」
三塁を守る選手は打撃力も求められる。打撃で結果を残さなければ、試合に常時出場するのは難しい。だがスポーツ紙デスクも、打撃成績で計れない貢献度を指摘する。
「坂本は今まで打撃不振の時がありましたが、緊迫感あふれる場面で勝負を決める一打を何度も打ってきた。技術の高さはもちろんですが、あれほど精神力が強い選手はなかなかいない。一緒にプレーした選手達は『勇人ほど頼りになる選手はいない』と口をそろえます。大混戦の優勝争いで存在感を発揮できるか注目ですね」
シーズン終盤は、修羅場をくぐり抜けてきたベテランの経験値がモノを言う。4年ぶりのV奪回に向け、坂本がカギを握る存在であることは間違いない。
（今川秀悟）
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