自分の地位保つために

 さらに男性自身が意識していないこんな傾向もあるという。

「男の人は無自覚のうちに、妻に家事や育児をやってもらうことで『男らしさ』を保とうとすることがあります。会社でもそうですが、偉い人はお世話をされる側です。世話する側の役割を妻に押しつけることができないと、自分の地位が揺るがされると感じてしまう。妻と同等の稼ぎでも家事をしない夫には、そういった意識があると指摘されています」

 意識の刷新が求められるところだが、大人になってからの変化には時間がかかる。そこで藤田さんは「高校くらいで性別役割分担意識について学ぶ機会があるとよい」と話す。

 遅々とした変化がもどかしいが、10年前を思い返せば改善した面も多々ある。一歩ずつ進むしかない。(ライター・大塚玲子)

AERA 2024年9月16日号より抜粋

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