辛酸なめ子さん(しんさん・なめこ)/1974年、東京都生まれ。著書に『女子校育ち』『女の人生すごろく』『スピリチュアル系のトリセツ』など多数(写真:本人提供)
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 現在、筑波大学附属高校3年の悠仁さま。その進路に国民の関心は高い。進学先として、東大も噂されている。漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんは、悠仁さまの東大進学問題をどう思っているのか。AERA 2024年9月9日号より。

【写真】玉川大学の昆虫科学実験室を視察する秋篠宮さまと悠仁さま

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 週刊誌などで自分の成績について日本中に報道されるというのは、思春期の男の子にとってはコンプレックスを刺激されることかもしれません。悠仁さまが大学進学に対してやる気をなくしていないか、自己肯定感が下がっていないか、そこが心配です。

 報道では東大への推薦入学の話も出ていますが、それに関しては賛否両論が渦巻くのもしかたないと思います。加えて東大は、全国からガチの秀才が集まってくる場でもありますので、そういう場で劣等感を感じられてしまった場合、自分の殻に閉じこもってしまわれないか。ただでさえ今の東大は、親の年収が高いなど、選ばれた人しか入れない学校になりつつあります。そんななかでさらに恵まれた立場の悠仁さまが推薦で入られると、東大は特別な環境の人が行く大学という印象がますます強くなるのではないでしょうか。東大は、一般の方も出入り自由なので、セキュリティー面の不安もあります。

 学習院は、これまでたくさんの皇室の方が通われていたので、やはりセキュリティーや接し方など含めて慣れている部分があると思います。今年の春に玉川大学を訪れた際の、昆虫の実験室での自然な笑顔の写真がとても印象的でした。玉川大学はお坊ちゃんも多く通われ、周りには自然も多く、ビオトープもある。そういったプレッシャーがかかりにくい環境で好きなことをやるというのはいいと思います。筑波大学も東京から距離があり、自然に囲まれ、しかもキャンパスが広いことで人の目も気になりにくいのではないでしょうか。

 先日はルクセンブルクの皇太子と通訳なしで会食を楽しまれていたほどのご学力をお持ちのようですし、いっそスイスにある世界各国の王族が子どもを通わせる名門大学などを選び、日本や日本人から距離をおいてみるというのもいいかもしれません。

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