東京カンテイは、12年7月~15年6月に首都圏で新規分譲され、23年7月~24年6月に中古流通した分譲マンションを対象にRVを算出した。
それによれば、首都圏で最もRVが高かった駅は、東京メトロ南北線の「六本木一丁目駅」(港区)の約369%。約10年間で、新築時の実に約3・7倍になった。続いて、東京メトロ有楽町線の「東池袋駅」(豊島区)の304・3%、東京メトロ千代田線の「新御茶ノ水駅」(千代田区)の303・9%、東京メトロ半蔵門線の「半蔵門駅」(千代田区)の297・4%などとなった。
井出さんによれば、上昇した駅に共通するのは「駅近か、もしくは駅直結型のタワー型再開発物件があること」だという。
例えば、六本木一丁目駅には徒歩4分の場所に12年に竣工した地上47階の「アークヒルズ仙石山レジデンス」が立ち、東池袋駅には地下直結の15年に竣工した地上49階の「ブリリアタワー池袋」がそびえる。
「こうした物件が一つでもあれば、10年前は割安感があっても、再開発が評価され高くなっています」
都心の中古マンションの今後の見通しについて井出さんは、「不動産にはネガティブな方向に行く要因はない」としながら、こう話す。
「都心6区の中古マンションは、4月くらいから新規の物件が減っています。投資家たちの多くは金融機関で資金調達し投資をしますが、借入金利が上昇する中、投資利回りとのスプレッド(利回り差)が縮まることを意識しているのだと思います。都心6区の中古マンションのマーケットは、『様子見フェーズ』に入っています」
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