小泉進次郎氏は裏金問題にどう対応するのか
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 自民党は総裁選の真っただ中。9月6日に正式な立候補表明を予定している小泉進次郎元環境相を応援するA議員が、「頭が痛い」と打ち明ける。

【写真】裏金問題を「終結」させるような発言で批判を浴びたのはこの人

 A議員が頭を抱えるのは、堀井学前衆院議員(52)=自民党離党、議員辞職=が、東京地検特捜部に「裏金問題」で立件されたことだ。

「総裁選で裏金問題がまた指摘されているなか、本当に頭が痛い」

「3千万円」ラインを下回る立件

 特捜部は8月29日、堀井氏を略式起訴した。自民党内に衝撃を与えたのは、堀井氏が公職選挙法違反だけでなく、政治資金規正法違反の罪でも立件されたことだ。

 堀井氏は7月に特捜部の家宅捜索を受けたが、このときは選挙区の有権者に秘書らを通じて香典などを配ったという公職選挙法違反の容疑だった。だが特捜部は、堀井氏が政治資金パーティー収入を派閥(安倍派)から還流を受け、約1700万円を政治資金収支報告書に記載せず裏金にしていたとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)でも略式起訴したのだ。

 自民党の政治資金パーティー収入の裏金問題で、これまで特捜部が立件した国会議員は安倍派の3人だけだった。起訴されたのは、不記載額が5154万円の大野泰正参院議員と、4826万円の池田佳隆衆院議員の2人で、公判に進む。4355万円の谷川弥一前衆院議員は罰金100万円などの略式命令が確定した。このほか二階派の二階俊博元幹事長は不記載額が3526万円だったが、議員本人の関与は薄いとして会計責任者が起訴された。

 一方で、不記載額が2954万円の三ツ林裕巳衆院議員、2728万円の萩生田光一前政調会長は立件されなかった。このため、「3千万円」が立件のボーダーラインだとみられていた。

 堀井氏の場合、2018年から21年までに裏金化していたのは2196万円。そのうち時効にかかる18年分を除いた約1700万円分が立件された。これまでの「3千万円」ラインを大きく下回る。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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