いち早く総裁選に出馬表明した小林鷹之氏

安倍派との関係が深い小泉、高市両氏

 これについて、安倍派裏金議員の一人、B議員は、憤懣やるかたない表情でこう語る。

「安倍派は最大派閥だったが、裏金事件で大きなダメージを負った。検察の判断が出て、逮捕される議員もいた。だが、今回の総裁選ではみそぎや反省の意味もあり、安倍派から候補者は出ていません。裏金については、政治資金収支報告書を訂正して決着がついている。安倍派5人衆ら、責任ある立場の議員は離党までしている。なぜ総裁選で裏金問題を蒸し返すのか。そういう候補者には、投票したくない」

 また、小林氏を応援し、記者会見でも同席した安倍派のC議員は、
「裏金問題はもう終結という発言で、ここまで批判されるとは、きついなぁ」
 と漏らす。

 一方、これから立候補表明を予定する小泉氏や高市早苗経済安保相は、安倍派との関係が深い。

 小泉氏は父親の小泉純一郎元首相が清和政策研究会(現安倍派)に所属し、一時期、会長も務めた。

 小泉氏を応援する冒頭のA議員によると、小泉氏の応援団には「すでに安倍派の裏金議員が何人も入っている」という。

「安倍派5人衆の一人、萩生田氏も小泉氏支援になると陣営では思っている。応援団の裏金議員を切り捨てるようなことはしてほしくない。しかし、石破氏や河野氏の“裏金議員斬り”表明を見ていると、ある程度、同調するしかないのか。人気がある小泉氏に抱き着いて、推薦人として名前を出して、選挙に勝ちたいという裏金議員もいるでしょう。表に出る推薦人には裏金議員は入れない方向なので、反発が出るかもしれません」(A議員)

 そして、A議員によると、小泉氏の意向として、
「政治とカネの問題に、ケジメをつけたいことは明確にします。4月に裏金議員に対する自民党の処分は決定しているので、裏金議員個人ではなく、改正された政治資金規正法の再度の見直し、自民党としての在り方などについて組織としての対応を語る予定です」
 と言いつつ、こう危惧する。

「裏金議員個人の追及はしないとなれば、生ぬるいと炎上するかもしれない。堀井氏が立件されたばかりですから」

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高市氏の応援団にも裏金議員