セ・パ共にペナントレースが佳境に入っている。セ・リーグは広島、巨人、阪神が熾烈な首位争いを繰り広げる。一方で、パ・リーグはソフトバンクが首位を快走。2位以下はクライマックスシリーズも見据えた戦いが続いている。そんな優勝争いとともに気になるのは、今季出場機会を失っている各球団の中堅、ベテランたちの去就だ。勝負どころの9月以降も1軍で出場機会がないようだと、来季の戦力構想から外れることが考えられる。
攻守で高い能力を持っているが、今季1軍出場がないのはDeNAの大田泰示(34)だ。3月上旬のオープン戦で足を痛めて負傷交代。「左ハムストリングの肉離れ」と診断されて離脱すると、開幕以降も1軍から声が掛からずファーム暮らしが続いている。外野陣は佐野恵太、筒香嘉智、桑原将志、関根大気といったベテラン・中堅に加え、ドラフト1位の度会隆輝に加えて梶原昂希、蝦名達夫ら若手もレギュラーを狙える位置につけている。年齢層も若返っている中で、大田が置かれた立場は厳しい。
「ドラフト1位で入団した巨人では伸び悩みましたが、トレード移籍した日本ハムで外野のレギュラーをつかみゴールデングラブ賞も受賞しました。21年オフに『ノンテンダー』で日本ハムを退団した際には、DeNA以外にも複数球団が獲得に名乗りを上げました。日本ハムで20本塁打を打った実績がありますし、外野の守備力も高い。貧打に苦しむ球団は獲得を検討する価値があると思います」(スポーツ紙デスク)
西武のスピードスターも2軍暮らし
大田と同学年の西武・金子侑司(34)も背水の陣を迎えている。16、19年と2度の盗塁王を獲得したスピードスターだが、21年以降は故障の影響もあり2ケタ盗塁がない。今年はオープン戦から打撃好調で、「1番・中堅」で開幕スタメン出場するなど春先から試合に出ていたが、36試合出場で打率.220、2本塁打、8打点、3盗塁。打撃の状態が下降線に入った6月3日に登録抹消になってから、1軍再昇格を果たせていない。