兵庫県の斎藤知事の疑惑が維新低落の原因か?

池田市議のスキャンダルも影響か

 また、こんな問題もある。

 箕面市は池田市と隣り合っているが、AERA dot.は今年2月、池田市の維新所属だった胡摩窪亮太市議が池田市ではなく箕面市に住み、居住実態がないまま23年の市議選に出馬して当選したのではないかという疑惑を報じた。

 これは池田市議会でも問題となり、4月に全員協議会が開催された。

 議会から説明を求められた胡摩窪議員は、
「居住実態が必要であることは認識していた。認識は甘かったと反省している」
 などと説明。

 また、取材に対して「警察にいきましょう」「市長を呼びます」と高圧的な態度をとったことについては、
「報道された内容で間違いない。記者への対応はよくなかったと認識している」
 などと答えている。

 結局、胡摩窪市議は8月6日に議員辞職願を出し、8月末で辞職することになった。

 池田市のある市議は、
「箕面市は今は池田市と同じ衆院の小選挙区大阪9区で隣ですから、池田市で維新のスキャンダルがあれば、波及して当然。箕面の選挙の手伝いに行くと、胡摩窪市議が疑惑について説明がつかずに辞職に追い込まれたことが話題に何度か出た。市長選に影響があったと思う」
 と話した。

 7月の東京都知事選で、石丸伸二氏の選挙参謀として手腕をふるった政治評論家の藤川晋之助氏は、かつて維新の国会議員の秘書だった。このところの維新の衰退について、こう分析する。

「地方で勝てずとも、維新は発祥の地、大阪の牙城だけは守ってきただけに、箕面で現職が敗戦したダメージは大きい。支持が急落しているのは、国会議員も地方議員も議員バッジをつけ、安定した地位を手に入れて安心し、活動量が落ちているのではないか。そこに斎藤知事らのスキャンダルや万博の工事の遅れなどの問題が加わって、さらに支持を失っている」

 吉村知事はこうも語っていた。

「負けに不思議の負けなし」

 維新は検証チームを立ち上げ、箕面市長選の敗因分析を進めるという。解散総選挙もそう遠くないなか、党勢を立て直すことはできるのか?

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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