2回途中から登板した石橋の入江は、5点ビハインドの劣勢でも最後までマウンドを守り抜いた。
「勝つためには、自分たちのベストプレーが必要だった」
その目論見を打ち砕いた青森山田の1999年以来となる8強進出を許した。それでも、入江は言うのだ。
「悔しさはもちろんありますが、自分の出せるものは甲子園で全部出せたと思う」
やりきった――そう思える納得の表情も浮かべる姿が印象的だ。創立100年で「文武不岐」を掲げる石橋の夏は終わった。背番号9の鈴木雅明は、スタメン唯一の2年生。
「甲子園での経験、そして学んだことは、次のチームで絶対に生かしたいと思います」
2024年夏に描いた甲子園の軌跡は、伝統ある石橋の新たな歴史の始まりとなる。
(佐々木 亨)
※AERAオンライン限定記事