そのうち空き家が社会問題としてクローズアップされるようになり、17年に売却・賃貸両面での処理を決意し、県の「空き家バンク」に登録しました。リフォームしてすぐ住める状態にあることが逆に評価されたのか、数カ月で70代のご夫婦が名乗りを上げてくれ、最終的に600万円で売却することができました。ちょうどリフォーム代が回収できる金額でした。
今思えば、両親が元気な時に実家を将来どうするかを話し合っておくべきでした。また、早いうちから両親と一緒に片づけをコツコツ始めておけばよかったとも思います。
親にそれを言うのは難しいと思われるでしょうが、家族の未来のためですから、どうぞ明るく切り出してください。「松本明子は実家を抱えて苦労したらしいよ」などと私のケースを利用していただいて構いません。
(編集部・首藤由之)
※AERA 2024年8月5日号