やめると言い出せないから続けている(笑)
――永井さんのエネルギーがなければ実現できなかったイベントですね。
アナウンサーの経験、大学院での学び、今まで生きてきたことすべてが役に立ちました。ただ、あまりにも大変でしたし、イベントが大赤字になってしまったのでこの一度きりと思っていたら、翌21年はコロナの感染がもっと深刻になっていて。協賛する企業を探さなければいけないし、まだまだ音楽家を取り巻く状況が大変だったので続けることにしました。昨年はコロナが収束に向かっていたのでやめようかなと思っていたら、音楽家の方から「面白いことやっているね」って認知されるようになって。やめると言い出せないので続けています(笑)。
でもやるからには全力でクラシックの楽しさを伝えたい思いは変わりません。演奏の合間にロングインタビューを交えて、テレビを見るような気軽さで楽しみながら生の演奏のとりこになって欲しい。素人だからできる日本で一番“敷居が低い”コンサートを目指しています。今年は7月に開催予定で今は各所で営業活動をしています。
――これから思い描く人生設計を教えてください。
私は計画性がなくて走りながら考えるタイプなので、友達に「どこに向かっているの?」と言われるんですけど(笑)、ありがたいことにいろいろなお仕事をさせていただいています。成城大で18年非常勤講師をやって、日テレ学院の講師、クラシックコンサートのプロデュースなどいろいろしていますが、この年になって蓄積できたことを若い人に還元できたり、お役に立てたりすることは幸せに感じます。5年後、10年後に全然違うことをやっているかもしれないですけど(笑)。その時はまた取材に来てくださいね。
(平尾類)