AERA 2022年6月20日号より
AERA 2022年6月20日号より

■揺れ収まってきたら

 次に、地震発生から2~5分後、揺れが収まってきたら、より安全な場所へ移動する。

 家の中にいる場合は、タンスや大型家電のない部屋へ移る。オフィスなら、大きな棚やパソコンが並ぶデスクまわりを避け、廊下やエレベーターホールなど、物が少ない共用部に移動する。

 地下街にいたなら地上にあがることが原則だ。実は構造上、地下街は比較的安全といわれる。60メートル間隔で非常口も設置されているが、危険なのは移動の際に非常口に人が殺到すること。慌てずに周囲を見て、人の波が空くのを待つか、人の少ない非常口を選びたい。

「パニックになると、人自身が凶器になる。踏まれたり押されたりしないよう、人の波には入っていかないことです」

 津波のリスクがあるエリアにいる場合は、地震発生後、すぐに海岸から離れること。津波が届かない距離まで水平避難することだ。水平避難が時間的に難しい場合は、津波が到達しない高さまで垂直避難する。

 ただし、近年の建物は、オートロックで入り口が閉ざされ、自由に入ることができない場合が多い。津波警報や大津波警報が出た際、緊急避難場所として「津波避難ビル」が自治体などにより設定されている。自分がどこに向かうか、事前にハザードマップで調べておきたい。

■情報集めと安否確認

 ひとまず比較的安全な場所へ移動したら、次にやるべきことは情報集めと安否確認だ。

 フェイクニュースに翻弄されないためにも、災害情報のための信頼できるアカウントやアプリを複数登録しておこう。永田さんによると、「気象庁防災情報」「NHK生活・防災」などのツイッターアカウント、「Yahoo!防災速報」「NHKニュース・防災アプリ」などのアプリが頼りになるという。

 家族などの安否確認にもインターネットを活用しよう。外出先から会社の状況を確認したい時、最も確かな方法は、オフィスにいる同僚に尋ねることだ。普段から同僚とLINEグループなどを作っておけば、いざという時にも連絡がつきやすい。

「家族の安否確認も同様です。LINEやツイッター、フェイスブックなど、普段からSNSを複数使っていれば、いずれかの方法で連絡がつくはずです」

 携帯電話のキャリアが災害時に提供する「安否確認サービス」や「災害用伝言ダイヤル(171)」なども含めて、連絡手段は複数確保しておこう。

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