流行語大賞にも選ばれたことのある「フワちゃん」
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 お騒がせタレントとして知られるYouTuber芸人のフワちゃんが、とんでもないトラブルを起こした。自衛隊芸人のやす子がXで投稿したポストを引用する形で、目も当てられないような暴言を書き込んだのだ。

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 フワちゃんはすぐにその投稿を削除して、謝罪の言葉を新たに書き込んだのだが、彼女の暴言は瞬く間に拡散されていった。この騒動を受けて、8月5日深夜に放送予定だった『フワちゃんのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)は休止され、彼女が出演していたGoogle PixelのCM動画はすべて非公開となった。そのまま彼女は『フワちゃんのオールナイトニッポン0』を降板することになった。

 この暴言騒動で印象的だったのは、問題となったフワちゃんの投稿に関して「そんなことを言う人だとは思わなかった、信じられない」といった反応をする人がほとんどいなかったことだ。

 多くの人が「フワちゃんならそういうことも言いかねない」と考えていた。フワちゃんはもともと“危険分子”と見なされていたのだ。なぜ世間からそう思われるようになってしまったのだろうか。

 フワちゃんは、得体のしれないYouTuber芸人としてテレビの世界に現れて、強烈な印象を残した。カラフルで派手な衣装に身を包み、ハイテンションでスタジオに登場。自撮り棒を持って好き勝手に写真を撮りまくり、目上のタレントにも馴れ馴れしい口調で話しかける。底抜けの明るさと自由奔放さを武器にして、テレビバラエティの世界で確かな地位を築いた。

 一般に、世間でイメージの悪い芸能人ほど、裏では礼儀正しかったり、真面目だったりするものだ。そういう人は、表舞台で悪役を引き受けることで、スタッフや共演者からの信頼を得ていたりする。

 年上のタレントに対しても敬語を使わなかったり、ときには暴言を吐いたりするフワちゃんも、そういうふうに語られることがある。表では暴れているが、裏では「いい人」だと言われたりする。

取材での実際の印象は

 でも、何度か直接取材をしたこともある私の印象では、フワちゃんはそういうタイプでもない。もちろん悪い人というわけではないのだが、特別に「いい人」でもない。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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