「一回、一回に思いを込めて演説しています。前日の演説を夜中に聞き返し、何が足りないのか、足したり引いたりして、バージョンアップして、渾身の思いにつなげていった」
 

壇上で仲間と抱擁

共産党・小池晃幹事長と抱擁 (撮影/上田耕司)
盟友の辻元清美氏と握手(撮影/上田耕司)

 会場の最前列には、共産党の小池晃・書記局長の姿があった。ステージに上がって健闘を讃える。 

「蓮舫さん、ありがとう。力不足? とんでもないですよ。蓮舫さんの訴えを聞いて、これなら東京で生きていけると思った人がいっぱいいるんじゃないかな。日本の民主主義がここに生まれたと言っていいんじゃないでしょうか」 

 蓮舫氏のこれからにエールを送り、握手と抱擁。 

 立憲民主党での古くからの親友、辻元清美参院議員も語りかける。 

「きのうの新宿では私の地元の高槻の住民もいた。こんな現象は今までなかった。ここからどういう形を生み出していけるのかということが問われてきた。そんな種まきのような、ちょっと芽が育った選挙だった」

  蓮舫氏が敗れたことについては力を込めて話した。

「これはとても大事なことじゃないかな。政治家は挫折から学ぶものってものすごく大きい。この結果は次の蓮舫が飛躍する天命だったんじゃないかな」 

「一回、蓮舫という鎧を脱いで、やっと休めるやろ。この挫折を大事にしてほしいねって思う」 

 そして抱擁。

 蓮舫氏は、最後に「戦わせてくれて、ありがとうございました。楽しかったです」と締めくくり、潤んだ目で一礼し、会場を去った。 

 報道陣に囲まれた立憲民主党の東京都連幹事長・手塚仁雄氏が選挙戦を振り返り、小池知事との政策論争に持ち込めなかった悔しさをにじませた。 

「現職としっかりとした政策論争を、公の場でもっともっと、バイデンとトランプのようにやりたかっただろうな。しっかりできれば結果も違ったものだっただろうなという感覚を持っている」
 

 現実には、選挙戦の焦点となっていた無党派層を取り込めなかったという分析結果がある。なぜ、ここに食い込めなかったのか。

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