「将来の夢は、ちいかわのうさぎちゃん」と話す理央奈ちゃん(提供)
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 登録者数144万人のYouTubeチャンネル「ちいりおちゃんねる」で人気を博している、りおなちゃん(7)が入院することが分かった。6日深夜、母親が公式インスタグラムを通じて報告した。7月には、2年前に入れた金属が折れていたことがわかり、手術が必要なことはインスタに投稿されていた。その手術がいよいよ8日朝からあったそうだ。りおなちゃんの過去の記事を振り返る(「AERA dot.」2023年4月5日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

【写真】リモート取材に応じてくれた理央奈ちゃん

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 TikTok、YouTubeで注目度が高まっている女の子がいる。3月3日のひなまつりに、6歳の誕生日を迎えた理央奈ちゃん。天真爛漫な性格と6歳らしからぬ絶妙なワードセンスで笑いの渦を起こす注目のTikToker兼YouTuberだ。なかでも「パパをお説教する娘」は人気のシリーズで、TikTokで1100万回以上再生された。

「ママの方が大変なんやけん。手伝ったとこ1回も見てませんけどわたし」

「掃除機かけたんもママですけど。わたしの世話したのママですけど」

「あなたは何してますかぁ? ゲーム…YouTube…ほんでぇさぁ、夜中に麻雀行ってさぁ。あなたは何しよるわけぇ??」

 真顔で父親の裕一さん(35)を諭す理央奈ちゃん。「誰やねんお前」と裕一さんが突っ込むと、「え、TikTokerやけど」と軽やかに応じる。

 2021年9月に始めたTikTokのフォロワー数は16万人超、昨年12月に立ち上げたYouTubeチャンネル「ちいりおちゃんねる」(登録者数48万人超)は、総視聴回数が1億1000万回を超える。

 だが、常に笑いがあふれる動画を見ただけでは、彼女が抱える深刻な病気に気づかない視聴者も少なくないだろう。コメント欄には、「これを初めて見たときは頭のいいコだなぁ、って思ったけど、難病かかえてること知って、驚きました。それを感じさせないくらい、ご家族が明るい」などの書き込みがある。

 理央奈ちゃんは先天性の骨系統疾患の疑いで背が伸びず、現在の身長は2~3歳児の平均身長に近い93センチ。昨年5月に側弯症の手術を受けた影響で歩けなくなり、毎日1時間以上のリハビリで再び歩行することを目指している。

 17年3月に誕生した際、呼吸と哺乳の異常が確認され、NICU(新生児集中治療室)とGCU(新生児回復治療室)に生後2カ月まで入院。検査を受けた結果、鼻の低形成、胸郭の変形、腹部の張りなどの異常が見つかった。あごが後退しているため、呼吸困難を引き起こしてしまう。裕一さんは「0歳のとき、月に1度は呼吸困難で入院していました。夜中でも呼吸がしんどそうだったから病院に行って。1日だけ入院のときもあれば、ICU(集中治療室)に入るときは1カ月以上入院したこともありました」と振り返る。

 口唇口蓋裂のため、ミルクが飲めず、生後10カ月まで鼻から胃にチューブで注入していた。母親の佳寿美さん(34)も必死だった。

「あのときは『理央奈を何とか大きくさせたい』とずっと考えていました。1時間かけてチューブでミルクを胃に流しても、全部吐き戻してしまう。1日にそれを8回、計8時間やっても、吐いてしまう。『なんで飲まないんだろ、なんで吐いてしまうんだろ』とそればかり考えて……。飲んでも呼吸困難になると絶食してまた痩せてしまう。ほとんど寝られない状況で、まとまった睡眠をとった記憶がない。生後10カ月目から常食のお米を食べられるようになっていろいろなものを食べさせましたが、身長が伸びなくて……先が見えなかった」

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