いかりや長介さんの葬儀に集まったザ・ドリフターズのメンバー(C)朝日新聞社
いかりや長介さんの葬儀に集まったザ・ドリフターズのメンバー(C)朝日新聞社

 さらに、お笑い芸人というプロになってからは、いかりや長介さんの凄さを感じたんですよ。いかりや長介さんって、「実はスゲーな!」って。いかりやさんは「バカヤロー!」のひと言でコントを終わらせることができる。そういうのって、実はもの凄い難しいんですよ! 団体コントを「バカヤロー!」で終わらせる。いかりや長介って、ガキの頃は大っ嫌いだったんだけど、自分がプロになって偉大だと気が付いた。いかりや長介って『8時だよ!全員集合』(TBS系)、『ドリフ大爆笑』(フジテレビ系)の2つの番組を、構成から何から何まで全部考えて、自分より年下のメンバーたちを動かしていたのは本当に凄い。

 特番でドリフのコントをやらせてもらえて、まず、ビックリしたのがドラマの撮影のようにしっかり作っていた。スタジオにセット組んで、照明さんも音響さんも徹底的にチェックして、リハーサルもあって、照明待ちとかもあり、完全にドラマの撮影と同じ。

 出演した劇団ひとりとかサンドウィッチマン、アンタッチャブル柴田さん、ずんの飯尾さんとか経験値のあるコメディアンたちが台本と真剣に格闘しているんですよね。読み込みながら「これは違う解釈だ。あ、こういうことか!」とか、本当にドリフの台本は読めば読む程よくできている。実は、計算に計算をしつくされた台本。いかりやさんの「ダメだこりゃ」で終わったり、大きなたらいが天井から落ちてきて頭にぶつかるとか、実にベタな感じに思えるんだけど、完全に計算された作り。今回、特番に出させてもらって、体験してわかったことですよね。ここ最近でキャスティングしていただいて一番嬉しかったのは、今回の特番と言っても過言ではない。

 自分が出演しているコントはトータルで収録に3日間かかったんですけど、スタジオ行って、コント撮って、家帰って飯食って寝て、またスタジオ行ってコント撮って……夢の生活ですよね(笑)。その3日間、嬉しかったですよね。芸人冥利に尽きる。

 ドリフのコントでどうしてもやりたかったのが、名作中の名作、いかりや長介さんの「威勢の良い風呂屋」。それを今回、リアルにやらせてもらえて本当に嬉しかった。余談ですけど、あとやってみたいのが、かくし芸大会でハナ肇さんがやっていた「銅像」の銅像役。

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14年目に突入するお笑いライブに思うこと