赤坂御苑の小高い丘「三笠山」に並んだ天皇、皇后両陛下と秋篠宮ご夫妻、愛子さま、佳子さまと皇族方=2024年4月23日、東京・元赤坂の赤坂御苑、JMPA

 皇室制度や儀式に詳しい、京都産業大の所功・名誉教授は、こう話す。

天皇陛下皇族方が一斉に集まる園遊会に、皇位継承順位2位の悠仁さまが出席するとなれば、並び方からご身位による『序列』が視覚化される。何かあれば世間は、愛子さまと悠仁さまを比較しますから、宮内庁も気を遣うところでしょうね」

ジェスチャーを交え、にこやかに招待者と会話をする愛子さま=2024年4月23日、東京・元赤坂の赤坂御苑、松永卓也撮影(朝日新聞出版/JMPA)

「逆風になりかねない」

 天皇、皇后両陛下が「主催」して、毎年春と秋に開かれている園遊会。明治時代に外国の外交官らを招いての「観菊会」や「観桜会」を起源とし、現在は文化や芸術、学術、スポーツなどの分野で功績のあった人たちを、東京・元赤坂の赤坂御苑に招いて開いている。コロナ禍の時期をのぞき、毎回2000人超が招待されてきた。

 所さんは、さまざまな立場の人たちを招く園遊会は皇室と国民がつながる大切な空間であり、国民の象徴として存在する皇室にふさわしい公的な行事であるとする。

 今年の春の園遊会では、天皇陛下と皇后雅子さまの後に、皇位継承順位1位で皇嗣の秋篠宮さまと皇嗣妃の紀子さまが続き、天皇家の内親王である愛子さま、そして皇嗣家の内親王である佳子さまという順序となった。

「悠仁さまが参加されたとき、愛子さまの立ち位置がどうなるのか。皇嗣の長男を先にするのか、それとも内廷の皇女を先にするのか、というところに世間が注目してしまうことになりかねません」

 所さんは、そう指摘する。
 

 また、象徴天皇制を研究する名古屋大の河西秀哉・准教授も、懸念を示す。

「ご身位の通りであれば、秋篠宮ご夫妻に続く5番目に悠仁さま、6番目に愛子さま、そして佳子さまの順にお出ましになり、招待者と懇談となるでしょう。あくまで序列に倣ったものであり、そこに恣意性は一切ありませんが、秋篠宮家への反発が強い今は、悠仁さまへの逆風とならないか心配です」
 

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手を取り合い、天皇陛下を支える皇族の役割