輸入品は本国だけではなく、他の国でも必要とされ、競争力があるから日本に輸入されてきているのですよね。

 車は外国製をありがたがる傾向があるのに、なぜか農産物や海産物になると国産をありがたがる。非合理的ではないでしょうか。

 もちろん手作りや国産でも素晴らしいものはたくさんありますから、そう書かれているものをすべて避ける必要はありません。

 大事なことは「見かけのキャッチフレーズやキーワードにだまされない」「その製品の中身が、自分が払う価格に比べて本当に価値があるものかどうか」を自分の頭で考えることです。ぜひこれを習慣にしてください。

 最初に書いた「原価構造を見抜く」という意味では、もう一つお伝えしたいことがあります。私は、過度に広告宣伝をしている製品やサービスには、あまり近寄らないようにしています。

 本当にいいものであれば広告宣伝をさほどしなくても十分に売れると思うからです。そして、広告宣伝を過度にしている製品やサービスには、広告費もマージンとして原価に上乗せされています。その結果、定価が高くなる可能性が高いのです。

 銀座や六本木のような一等地にきらびやかなショールームがあるような製品も警戒しています。一等地の土地代や、ショールームに勤めている店員さんたちの給料が原価に跳ね返っているだろうと考えるからです。

 商品そのものを作るのとは関係ないところに、たくさんお金が使われているのはどうなのかなと思ってしまいます。

 無駄なコストを使わずに、顧客のために安くていいものを届けるため努力をする会社と、なるべく長く付き合うようにしましょう。

 そうすれば、自然と自分の支出が下がり、いい買い物ができるようになります。浮いたお金は無駄遣いせず、投資信託などにドルコスト平均法でつみたてていきます。

 このような好循環を繰り返して10年、20年経つと、よりコストパフォーマンスのいいお金の使い方が身についていますし、一方で資産も増えます。ぜひ両輪でやってみてください。

(編集/中島晶子・編集部)

※『AERA Money 2022夏号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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