経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授の勝間和代さん(撮影/写真部・張 溢文)
経済評論家、中央大学ビジネススクール客員教授の勝間和代さん(撮影/写真部・張 溢文)
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 8月に入ったが、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした1日からの飲食料品の値上げは642品目。9月以降は冷凍食品やハム・ソーセージ製品、清涼飲料水を中心とした缶・PET飲料、ビール類以外の酒類、アイスクリーム・氷菓製品、パックごはんなど、幅広い品目で値上げが予想されている。そんな値上げの夏、もう一度読みたい、人気経済評論家・勝間和代の過去の人気記事を振り返る(「AERA dot.」で2022年5月29日に配信した記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

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 経済評論家の勝間和代さんが「AERA Money」で連載する「人生を幸せにするお金のレシピ」第4回。今回は「割高なものを買わないために原価を見抜くコツ」について。
 

 私たちが限られたお金を上手に使うためには、良質な製品やサービスを安価に購入する必要があります。その場合に私がおすすめしたいことをお教えしましょう……といっても単純なことです。

「目の前にあるサービスや製品の原価構造を見抜くことができるようにすること」が大切なのです。

 私が割高なものを買わないために気をつけている「NGキーワード」があります。2つあるのですが、これです。

・手作り
・国産

 みなさんは「手作り」「国産」という言葉にはいいイメージをお持ちではないでしょうか。どちらかというと、この2つのキーワードは多くの人にとって付加価値を示すものです。

「国産材料だけを使い、丁寧に手作りしています」などと書かれていると、ついつい「高品質なのだろう」と思うことでしょう。しかし、実態は逆ではないでしょうか。

 まず「手作り」というのは「量産していない」または「量産しづらい」ということです。非常に労働集約的に作られていることでしょう。そうすると当然ながら人件費がかさんでしまいます。手間暇の分、原価が高くなっています。

「手作り」の問題点はもう一つあります。製品の出来の“ばらつき”が大きくなるのです。

 たとえば目の前にパソコンやテレビがあって、「これ、手作りのパソコンです」と言われたら、あなたは買う気になりますか?

 私は残念ながら品質が不安定かもしれない……と考えて、買う気になれません。それがなぜか洋服や食べ物になると、急にみなさん、手作りに価値を感じてしまうのです。これは“手作りマジック”です。

「国産」も同じ考え方です。ついつい私たち日本人は身びいきをして、日本で作られたものを買いたくなるのですが、別の視点を持ちましょう。

 日本製ということは、すなわち「国際競争力がないのかもしれない」と疑ってみるべきです。輸入品のことを考えれば、これは理解できると思います。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。「AERA」とアエラ増刊「AERA Money」の編集担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などの経済関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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