「THE ICE」の座長を務める宇野昌磨(右)(c)THE ICE 2024
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 プロスケーターとして初めての夏を迎えた宇野昌磨は、銀メダルを獲得した2018年平昌五輪のフリープログラムで滑った『トゥーランドット』を、贅沢なコラボレーションナンバーとして蘇らせた。

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「THE ICE」の座長を務める宇野昌磨にとって、今年は競技を引退してから初めて迎える公演となる。2007年から始まった「THE ICE」は、当初は浅田真央をメインキャストに据えたアイスショーだった。そして今は、浅田に誘われてフィギュアスケートを始め、山田満知子コーチ・樋口美穂子コーチの下で浅田と共に練習してきた宇野が、「THE ICE」を支えている。

「THE ICE2024」東京公演は、La La arena TOKYO-BAYで7月27日から始まった。初回公演、第1部の最後で、宇野はジュンファン・チャ(韓国)と共に『トゥーランドット』を披露した。宇野は、シニアデビューした2015-16シーズンにもフリーで『トゥーランドット』を滑っており、シニア1年目とは思えない堂々としたスケーティングが印象的だった。宇野の魅力を引き出す『トゥーランドット』を平昌五輪シーズンのフリーで再び滑ることにしたのは、観る者としても頷ける選択だった。

 今回の「THE ICE」で、ジュンファンとのコラボレーションナンバーとして『トゥーランドット』を提案したのは、宇野自身だったという。その理由を、宇野は次のように語っている。

「ぼくたちは個人競技なので2人で同時に滑るコラボナンバーは、じつはあまり得意ではないというのがまずあるんですが、そのなかでぼくたちのよさを引き出すコラボレーションにしたいと思いました。2人が過去に滑ったことのある同じ演目を滑る面白さもあり、まったく新しく作るよりも、いいものができるんじゃないかというので提案させていただきました」(「THE ICE2024」公式パンフレットより)

 ジュンファンは、2022年北京五輪のフリーで『トゥーランドット』を滑っている。宇野が連覇を果たした2023年世界選手権(さいたま)で銀メダルを獲得したジュンファンは、韓国の歴史を作り続けているスケーターだ。「THE ICE」の公式パンフレットに掲載された宇野とジュンファンの対談では、ジュンファンの表現力を絶賛する宇野に対し、ジュンファンも以前からコラボレーションを希望していた宇野のオファーに対し即答した経緯を語っている。宇野がコラボレーションを提案した背景には、ジュンファンへのリスペクトと同時に、観客に見応えのあるプログラムを提供したいというプロとしての責任感があるのではないだろうか。

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プロとしての自覚を胸に“新たな道”