再取材に応じたデジタル庁(画像はデジタル庁提供)

「オフレコ前提で話したこと」

 AERA dot. も6月21日、<携帯契約に「原則マイナンバーカード必須」に批判殺到 デジタル庁は「一本化は考えていない。政府の伝え方が悪い」と困惑>と題した記事を公開した。同記事では、世間からの相次ぐ批判や識者の見解についてデジタル庁にも取材。担当者から回答を得て次のようにコメントを掲載した。

「”非対面”での携帯電話の契約などで、本人確認をマイナンバーのICチップに一本化することは考えていません」
「政府側の伝え方が悪かったことで、一部のメディアがミスリードしてしまった側面がある」

 すると記事の公開後、デジタル庁広報から記者に連絡があり「記事の内容に一部誤りがある」と伝えられた。話を聞くと、デジタル庁としては「政府の伝え方が悪かったとは思っていない」「メディアのミスリードがあったとも考えていない」とのことだった。記者は電話取材でデジタル庁の広報担当者から回答を得ていることを説明したうえで、デジタル庁が「誤りがある」と主張するのであれば、責任者が対面で取材に応じるよう申し入れた。

 そして7月18日、改めてデジタル庁の幹部に取材をすることになった。

 東京・千代田区にあるデジタル庁のオフィスで取材に応じたのは、上仮屋尚(うえかりや・たかし)参事官。まず、「(デジタル庁として)政府の伝え方が悪かったり、メディアがミスリードを起こしていたという認識はない」と明言し、AERA dot.が記事に掲載したコメントを否定した。それに対して、記者は電話取材の際は社名を名乗り「取材であること」もはっきりと伝えたと述べると、同庁の広報担当者は「オフレコ前提で話したことで(記者と取材を受けた広報担当者との認識が)食い違って、(広報が)ミスリードや政府の伝え方が悪いなどの話をした可能性がある」と返答した。

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警察庁はメディアに「誤り」を指摘