AERA 2024年7月29日号

 下級生の時は、与えられたことを完璧にできるまで練習していました。その一方で、「自由にやっていいよ」と言われた時に、引き出しがないことに悩んでいました。そういう時でも、誰かを頼るのではなく、「もっと鍛えて何とかせねばならぬ」と自分を追い込んでしまう性格なんです。

支え合ってがんばろう

――そうした葛藤も、舞台での「説得力」に転じてきた。

礼:自分が思い描く理想像を、舞台上でクオリティー高く見せたい。ただ、一から作り上げていくお稽古場では、そんなことは不可能ですよね。いらないプライドは、自分の成長を邪魔してしまう。できない部分をさらけ出し、恥をかきながら、「できて当たり前」から「できなくていいんだ!」と意識を変えることで、数々の山場を乗り越えてきた実感はあります。

 まだまださらけ出す部分はたくさんあります。だからこそ、毎回、仲間たちと一丸となって作品に取り組んでいけると思っています。

(ジャーナリスト・清野由美)

AERA 2024年7月29日号より抜粋

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