宝塚歌劇団星組トップスター・礼 真琴(れい・まこと)(c)宝塚歌劇団
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 舞台を第一に考え、邁進してきた礼真琴さん。昨年、アメリカを訪れた。そこで感じた自由な空気が、経験が、次に進む力になったという。AERA 2024年7月29日号より。

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「奇跡の期」と呼ばれている。

 過去50年で最多のトップスター、トップ娘役が輩出した、宝塚歌劇団95期のことだ。とりわけ、首席で入団した礼真琴は、歌、ダンス、芝居すべてにおいて、新人時代から注目を集めてきた。

「RRR×TAKA“R”AZUKA~√Bheem~」では、主役のコムラム・ビームを演じた。原作の濃いインド映画の世界を、熱さはそのままに「タカラヅカ」らしい愛と希望のスペクタクルに転化した。5月末からの東急シアターオーブ公演「BIG FISH」では一転、アメリカの田舎町に生きる平凡なサラリーマンを好演。少年から青年、壮年、老年まで役の幅を広げ、舞台人としての成長を見せた。

 8月からの大劇場公演「記憶にございません!」(三谷幸喜原作)ではさらに“味変”し、記憶を失った総理大臣という役どころに挑戦する。

 トップスターとしての足跡にも、積んできた研鑽にも曇りはない。ただ、昨年は、思わぬ苦難があった。千秋楽前に復帰したが、フレンチ・ロックミュージカル「1789-バスティーユの恋人たち-」の東京公演中、体調不良で途中休演。

 9月からは4カ月、事前に発表していた通り、舞台休養期間を取った。

「ずっと舞台しか考えないで走ってきたので、そこから離れる決断は、怖くてつらかった。でも、お休みをいただいたことで、『こうあらねば』と自分を縛っていたものから解放されて、視野を広げることができたと思います」

 その期間に訪れたアメリカでは自由な空気に触れ、次に進む力も得たという。

「街で音楽が鳴っていると、それに合わせて楽しそうにステップを踏む人がいる。私が路上で撮影をしていたら、『BTS!?』と陽気に声をかけてくる人もいて。いつかそれが『タカラヅカ!?』となるくらい、タカラヅカを広めたい。新しい夢ができました」(文中敬称略)(ジャーナリスト・清野由美)

AERA 2024年7月29日号

AERA 2024年7月29日号

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