お笑いトリオ「ハナコ」の岡部大

カリスマ性を持つ芸人の減少

『27時間テレビ』は1987年に始まり、タモリやビートたけし、明石家さんまのBIG3が代わる代わるMCを務めてきた由緒ある番組だ。そのため、SNS上では「この3組で今年は大丈夫なのか?」という声があるのも事実だ。

「チョコプラと霜降り明星はともにYouTubeの登録者数が200万人超えで、若者層への訴求力は十分。とくにチョコプラは最近、『アメリカズ・ゴット・タレント』でTT兄弟を披露し、海外からのオファーもすでに届いていると言われています。霜降り明星は粗品さんがいろんな人にかみついて大暴れしていますが、最近はかみつき芸としてネタに昇華しているフシもあり、話題性に事欠かない。ハナコは『キングオブコント』を制したときほどの勢いはないものの、ネタに関してはどんどん洗練されて独創的なコントを量産し続けています。昨年、総合MCを務めたダイアンは、この1年で番組出演が劇的に増えました。今回の『27時間テレビ』をへて、この3組7人がどのように評価を上げ、お笑い戦国時代で領土を拡大していくのか、そこも見どころのひとつです」(前出の放送作家)

 芸能ジャーナリストの平田昇二氏は、芸人中心のバラエティー大特番が苦戦するようになった要因をこう分析する。

「バラエティー番組をヒットさせるには、流行に敏感な若い世代の視聴者層を取り込むことが不可欠だったわけですが、そもそも今の若い世代はテレビをほとんど見ません。ひと昔前のバラエティー特番や大型番組は、普段は自身の冠番組を持っていたり、人気番組のメインMCを張ったりしていて、通常の番組ではあまり絡むことのない大物芸人たちが共演や企画コーナーをともにする“レア感”が売りの一つでした。しかし近年、テレビの求心力が衰えていくなかで、そこまでの人気やカリスマ性を持つ芸人が減ってきており、そうした大特番でしか見られない特別なコンテンツを構築できないことが苦戦の要因になっているのではないでしょうか」

 頼みの綱である“素人力”で視聴率挽回となるか。来年以降を占う意味でも、今年の「27時間テレビ」は注目されそうだ。

(藤原三星)

著者プロフィールを見る
藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

藤原三星の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
防犯・災害対策の準備はいかが?最大50%オフのAmazonの安全・セキュリティグッズ売れ筋ランキング