大久保波留(以下、大久保):「Switch」の高音パートは、歌だけでしっかりと感情を表現するような大切なパートだったので、納得がいくまでレコーディングさせてもらいました。難しいパートでもリラックスして歌えるようになってきました。
田中笑太郎(以下、田中):「Dance On Open World」のサビが高くて不安だったんですが、香信くんが一緒に練習してくれたおかげで良い感じに歌えました。自分としては一つ殻を破れた気がしています。
福田:歌の知識が一番ある香信が全員をしっかりと見てくれました。僕も自分なりに気になったところは「ここはこうした方がいいんじゃない?」とメンバーに伝えていきました。
寺尾:あまりガチガチに揃えすぎるとデモ音源のようになってしまうので、ある程度音程やリズムが正しければ各々の癖が出ている方が良いのかなと思って、作家さんを含めてみんなで話し合いました。
先輩たち以上のことを
―口々に「あらゆる面で成長できた1年間だった」と話す。特に成長をもたらした出来事は何だったのだろうか。
大久保:事務所の先輩であるJO1さんやINIさんと共演できる「LAPOSTA」は去年も今年も学ぶことがすごく多かったです。先輩たちのパフォーマンスを近くで見られるだけでなく、リハーサルに臨む姿勢も見ることができてリスペクトが増しました。そこで感じたのは、与えられたことをただやるのではなく、自分たち主導でライブを作り上げていくことがアーティストだし、その方が楽しいのではないかということ。僕たちがもっと上に行くためには先輩たち以上のことをやらなければいけない。一気にやるべきことの視野が広がりました。
寺尾:リハから他のグループの方たちの姿を見ることができ、感じるものがたくさんありました。それを踏まえてみんなで話し合いました。
大久保:お互い感じていることがあるのはわかったので、自然と「先輩たちのこういうところを真似していきたいよね」という話になりました。
寺尾:そうやって自然にミーティングができるのは、普段から話し合っているからだと思っています。
大久保:話し合いを重ねていったことでメンバーが楽しんでいたり緊張している状態が空気感でわかるようになってきたのは大きいです。
平本:練習生の頃から練習後は毎日みんなで話し合っていたんですが、お互いに思うことがあると少しずつ悪い影響が出ていくことがわかり、一度腹を割って話す機会を設けたんです。最初はなかなか本音で話せなかったんですが、部屋を真っ暗にして顔を見えなくしたらだいぶ話せるようになって今に至ります。良い方法だったと思います。
(構成/ライター・小松香里)
※AERA 2024年7月22日号より抜粋