セレッソ大阪から鳥栖に移籍した清武弘嗣
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 白熱のJ1リーグは7月14日までに全20チームが23試合を戦い終えた。残りは15試合。そこで大きな鍵を握るのが「夏の移籍市場」である。特に近年は海外移籍が活発になったことで、夏に大きく戦力アップするだけでなく、戦力ダウンするクラブも出てきた。果たして今後、J1の勢力図はどう変化するのだろうか。(移籍動向は7月17日時点のもの)

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 まずは上位陣だ。首位のFC町田ゼルビアは、躍進の立役者であり、左サイドの槍として攻撃のキーマンになっていたMF平河悠(→ブリストル・シティ)が海を渡り、その代わりに杉岡大暉(←湘南ベルマーレ)をレンタルで獲得した。同じ左利きのサイドプレイヤーであり、日本代表歴のある実力者である杉岡だが、タイプ的にはリーグ戦フル出場を続ける林幸多郎の左SBが適任だろう。現状では戦力収支はマイナス。豊富な資金力を生かした今後のさらなる補強が期待される。

 気になるのが4位の鹿島アントラーズだ。ボランチとして広いエリアをカバーしていた佐野海舟(→マインツ※逮捕報道で去就は不透明に)が退団した影響がどこまで続くか。直後の北海道コンサドーレ札幌戦では、代わってスタメン出場した柴崎岳も機能して2-0勝利を収めたが、7月14日の横浜F・マリノス戦では1-4の大敗を喫し、佐野の穴を感じざるを得ない結果となった。しかし、この窮地に元日本代表の三竿健斗(←OHルーヴェン)を1年半ぶりに復帰させることに成功。まだ28歳の“バリバリ”の男の帰還は非常に大きい。今季開幕からほぼ不動のメンバーで戦ってきた中で、三竿がどれだけ早くフィットできるかが重要になる。

 戦力が激しく入れ替わったのは、現在9位の浦和レッズである。ようやくピッチに立って能力の高さを披露したオラ・ソルバッケン(→ASローマ)の残留が叶わず、さらに守備の要であるアレクサンダー・ショルツ(→アル・ワクラSC)が中東流出。主将の酒井宏樹(→オークランド有力)、ベテランの岩尾憲(→徳島ヴォルティス)もチームを後にした。その代わりに、切れ味鋭いドリブルが武器の本間至恩(←クラブ・ブリュージュ)、元U-19日本代表FW二田理央(←ザンクト・ペルテン)を獲得した。まだJ1のリーグ戦では出場経験のない本間が、怪我人続出の2列目でどこまで働けるか。期待は大きいが、現状ではトータルでの戦力ダウンの評価は致し方ない。

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