銃撃直後の現場の様子(提供)
銃撃直後の現場の様子(提供)

 三重県から観光で訪れたという26歳の会社員の男性はこう話す。

「安倍さんが来るというので、会場で待ってた。安倍さんの演説が始まって、2、3分くらいかな。お腹に響くような音がして、白い煙が上がった。一瞬、テロかと思って伏せて、数秒静まりかえり、その後、『大変だー』という大きな声がして、『安倍さんが撃たれた』という声が響き、周囲が騒然となった。犯人はすぐに取り押さえられて、逃げるそぶりはなかった」

 現場で選挙ボランティアとして参加していた男性は、銃声を聞いたときは、20m程度離れた場所でビラを配っていた。現場の様子についてこう語る。

「すごい音だった。銃声ではなくて、何かが爆発したのだと思った。『看護師を呼んで』とか『AEDを持ってきて』などと声が飛んで、その後、心肺蘇生が行われていました。周りにいた候補者も他の議員の先生も最初は言葉を失っている様子でしたが、その後は安倍(元)首相に『がんばれ』と声をかけていた。ただ、(安倍氏は)それに反応している様子はなかったです」

 さらに警備についてもこう語る。

「安倍(元)首相の演説は昨日、急きょ決まったと聞きました。奈良選挙区が接戦で、それで来ることになったようです。容疑者が出てきたところは演説をしているところの後方で、警備が手薄だったように思えます。演説が急に決まったことも影響したのかもしれません」

 犯行はどのような状況で行われたのか、現場の警備はどういった状況だったのか。真相の究明が待たれる。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫/今西憲之)

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