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ペン対応最新モデルはレタッチ向き

 iPad Proは新しいタブレットだ。iPadの上位モデルというよりは、派生モデルといったほうがいい。いちばんの特徴は大きいこと。ほぼA4サイズで重さが713g(Wi-Fiモデル)の硬い板だ。
 ディスプレーは12.9型で、モバイル向けノートパソコンと同等の大きさ、2732×2048ドット表示ですごく細かい。画素数にすると560万画素相当。電子書籍端末にも便利だが、そのためだけに購入するにはぜいたくすぎる。むしろ、「何でも描けるデジタル画板」という特性をより生かしたい。別売のApple Pencilの書き味は非常にリアルで、線の強弱もつけられ、アプリによってさまざまな画材になる。

iPad Proは、別売のSmart Keyboard(税別1万9800円)とApple Pencil(税別1万1800円)とともに使いたい。キーボードはけっこう重め。Pencilは圧力や傾きも検出するほか、書き味も追従性もよい
iPad Proは、別売のSmart Keyboard(税別1万9800円)とApple Pencil(税別1万1800円)とともに使いたい。キーボードはけっこう重め。Pencilは圧力や傾きも検出するほか、書き味も追従性もよい

 ディスプレーの表示は秀逸で、写真をフルスクリーンで映すとノートパソコンで見るより奇麗で、ちょっとしたレタッチもできるレベルだ。アドビはそれにいち早く対応。アドビ製品同士で連係し、パソコン上のLightroomのアルバムを持ち出す用途や、逆にiPad Proで編集した写真をパソコン側に反映させることも可能だ。モニターが大きくて奇麗なので数人で囲んで写真を見るのにも向いている。

アドビのiPad用アプリのひとつAdobe Photoshop Fix。基本的なレタッチ作業ができる。Creative Cloud経由でパソコンのPhotoshopへ送ることも可能。無料で使えるが、Adobe IDが必要
アドビのiPad用アプリのひとつAdobe Photoshop Fix。基本的なレタッチ作業ができる。Creative Cloud経由でパソコンのPhotoshopへ送ることも可能。無料で使えるが、Adobe IDが必要


 今後、アプリがもっと進化していけばパソコンより優秀な現像&レタッチツールとなるかもしれない。

このレタッチ結果は自動的にLightroomのライブラリに反映される。iPadで直接RAWを編集できるわけではないが、パソコンと連係することで、かなりのことはできる
このレタッチ結果は自動的にLightroomのライブラリに反映される。iPadで直接RAWを編集できるわけではないが、パソコンと連係することで、かなりのことはできる


◆ 荻窪 圭


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●ディスプレー:12.9型、2732×2048ドット●CPU・OS:A9X・iOS9●カメラ:裏面照射型。レンズ:F2.4、5枚構成●動画撮影:フルHD/30fps●大きさ・重さ:305.7×220.6×6.9mm・713g(Wi-Fiモデル)、723g(Wi-Fi+Cellularモデル)●価格(税別、直販):Wi-Fiモデル 32GB:9万4800円、128GB:11万2800円。Wi-Fi+Cellular(3G/LTE対応)モデル 128GB:12万8800円