2月号が発売になりました!
巻頭は72ページの大特集「鉄道写真新世紀」。
そしてラスベガス取材で予告したとおり、
Nikon D5、D500をはじめとする新製品の特集をお届けしています。
そして今話題の「東京カメラ部」の2015年の10選に
選ばれた方々の作品も、11ページにわたって掲載しています。
みなさん、ご覧いただけましたか?
まだの方はこちらをどうぞ!
2月号で鉄道特集を組むのは3年連続ですが、
僕が鉄道写真好きだから
組んでいるわけではありませんよ(笑)。
特集は読者ハガキなどで
リクエストの多いテーマを率先して選んでいます。
たとえば、今月号からスタートした
「美しい四季の風景写真講座」(年4回掲載)もしかり。
今回は雪と氷、霧氷・樹氷をテーマにしていますが、
やはり風景写真は「鉄板」ですし、
季節ごとに「表情」が大きく変わるものですから、
鉄道特集やヌード特集のように
年1回というわけにはいかないのです。
そんなわけで年4回、季節に合ったテーマでお届けしますので
どうぞよろしくお願いします。
さて、巻頭の鉄道特集をご覧になって、
「ん? これは鉄道写真なのか?」と
思われた方もいるかもしれません。
車両が写っていない作品も多いですからね。
たとえば、暗いトンネルをHDRで幻想的に撮影した
徳川弘樹さんの「軌道回廊」。
確かに線路は写っていますが、
そこに鉄道の持つ旅情感があるかと言われたら、
なかなか答えに窮するところです。
そこにあるのは、鉄道を支える建造物の
無機質な美の世界と言っていいでしょう。
そして所幸則さんの「アインシュタインロマンス」。
東海道新幹線の車窓からの風景を
幻想的にモノクロで描いていますが、
これまた旅情感ではない世界が繰り広げられています。
描かれているのは、新幹線という超高速鉄道の
(本来見えないはずの)時間の流れだと思います。
もっと言えば、徳川さんも所さんも
「撮り鉄」ではありません(笑)。
特に所さんはファインアートの世界の写真家。
鉄道特集に組み込まれるとはご本人も意外だったと思います。
でも、あえて今回は掲載をお願いしたんです。
というのも、鉄道写真の多様な表現の方法、可能性を
提示してこそ、僕らのようなカメラ誌・写真誌の
存在意義があるのかなと思うんですね。
本誌の読者のみなさんは、コンテストを見てもおわかりのように、
実に撮影技術に長けていて、上手な方が多い。
でも、レベルが上がれば上がるほど、
撮影技術の「次のステップ」が問われることになります。
テーマをどう選び、切り取るのか。
何をどう表現するのか。頭を悩ます局面がたくさん出てくる。
そんな時にこそ、第一線で活躍するプロの写真家のアプローチが
参考になると思うのです。
テーマ、モチーフの選び方、被写体との向き合い方、
作品の仕上げ方……
カメラの性能が技術力を補ってくれるこの時代、
ハイアマチュアでなくても、
撮影愛好家であれば参考になるのではないか。
そんなふうに考えて、毎号作っています。
というわけで、せっかくの機会ですので、
プロの写真家の作品と言葉から学んじゃってください!