「原資は税金なのに…」
この問題を追及してきた生田市議が憤る。
「10万円をふるさと納税として寄附すると、1万円券の温泉利用券5枚、つまり5万円分の金券が返礼品としてもらえた。そこに『おまけ』として洋菓子やコーヒー、さらに商品券までつけていた。総務省基準の30%ルールをはるかにオーバーしているのははっきりしており、洲本市のずさんさがよくわかる。返礼品という名目なら市議会の同意やチェックもなく、温泉利用券や商品券がふるさと納税担当の魅力創生課の判断でいくらでも印刷ができた。それを容認してきた市の幹部にも大きな責任がある。温泉利用券は、現在もオークションサイトなどで出品されている。商品券も少し前までは出品されていた。出品は数万円というものもあり、かなりの金額なので、温泉利用券、商品券とも使途不明の分が流れているのではないか。どちらも原資は税金なのに、市は調査すらできないという。あきれるばかりだ」
総務省の処分期間の「2年」は今年4月末で終了したが、まだ市では調査が続いており、ふるさと納税制度への復帰時期は未定だ。だが、前出の市職員はこう話す。
「商品券、温泉利用券だけでも問題ばかりある。それなのに、『2年が過ぎたのでふるさと納税に復帰すべき』という市幹部や市議がいます。今も百条委員会が継続していて、まだ問題点がはっきりしていないのに、いったいうちの市役所はどうなっているのやら」
(AERA dot.編集部・今西憲之)