儀式の間は、天皇陛下皇族方もずっと立ったままだ。宮殿での儀式は午後1時過ぎまで続く。

 午後3時半からは愛子さまも一緒に、上皇ご夫妻が住んでいた仮御所でのあいさつ。4時半から御所で侍従職職員のあいさつを受けた。すべての儀式が終わるのは、午後5時近い。

「夕食として京味噌仕立ての丸の雑煮を含む御祝御膳を召し上がるそうです」(所功名誉教授)

 2日は、一般参賀がある。

 コロナ禍で中止が続いていたが、令和5年は事前申込制で一般参賀が復活した。両陛下の宮殿・長和殿ベランダへの「お出まし」は、1回目の午前10時10分ごろから、午後3時10分までの6回の予定だ。

 3日は皇位の起源を祝し、国家や国民の繁栄を祈る大祭である「元始祭の儀」に臨む。ふたたび黄櫨染御袍を召した天皇は、侍従の奉ずる剣璽を伴い三殿で儀式に臨む。続いて皇后、そして皇嗣である秋篠宮さま紀子さまは殿内で、他の成年皇族方は階下で拝礼する。22年からは成年を迎えた愛子さまも参列した。

 4日は、皇室の祭祀をつかさどる掌典長が伊勢の神宮と宮中祭事について天皇陛下に説明する「奏事始の儀」。

 昭和天皇の命日である7日は「昭和天皇祭皇霊殿の儀」が三殿の皇霊殿で執り行われる。昨年は佳子さまが、昭和天皇が埋葬されている武蔵野陵を参拝し、「奉幣の儀」に臨んだ。

 例年14日ごろに「講書始の儀」が行われる。明治天皇が学問奨励のために始めたとされ、人文・社会・自然科学三分野の専門家から天皇が説明を受ける儀式だ。

18日には、宮殿で天皇をはじめ皇族方の歌が披講される伝統儀式、「歌会始の儀」が催される。

 先の所功名誉教授はこう話す。

「天皇をはじめ皇族の方は、国家・国民のために正月早々から真摯に祈りを捧げ続けておられます。そうした心持ちを少しでも知っていただければと思っております」

 天皇家の正月は、かくも忙しい。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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