Sキャラ開花の真相
――雛形さんに求められる“役割”とは
見た目とのギャップが面白いのか、Sっぽさを求められることが多いですね。始まりは、レギュラーを務めていた「めちゃモテ」(バラエティ番組「めちゃ²イケてるッ!」の前身である「めちゃ²モテたいッ!」)っていう深夜のトーク番組なんです。
出演メンバーみんな、まだ若くて、キャラクターを模索していました。ある日、何かのトークのときに私の中で許せないことがあって、(ナインティナインの)岡村(隆史)さんか矢部(浩之)さんに不満をぶつけたことがあったんですね。何に怒ったのか覚えていないし、軽く言い返したくらいだと思うんですけど、「雛形はそうやって強く出るほうがいい」って面白がられて、それを機に他の番組でもSキャラとして広まっていきました。
Sっ気という私の中のほんのちょっとの要素が何十倍にも膨らんで、気づいたときにはものすごいSになってて(笑)。でも無理をしているわけではなく、求められたら「ここは私の出番だ!」と張り切って、慣れた役柄をアドリブで演じている感じです。この先おばあちゃんになってもSキャラとして、若い人と仕事ができたら素敵だなと思ってます。
――(取材に同席していた、雛形さんの夫で俳優の天野浩成さんに)プライベートの雛形さんにもSっ気はありますか
天野:あんまり感じないですね。どっちかと言うとぼーっとしてます(笑)。
雛形:家族の中で一番マイペースなので。私がびっくりしたり大きなリアクションをしたりすると、天野と娘がすごいびっくりして「ママが……!」って騒ぐくらい、感情の揺れがないらしいです。でも「めちゃイケ」に出ていたころは収録が火曜日と水曜日だったので、「火水のママはエッジがきいてて怖い」って言われてました。
天野:醸し出す空気が変わるんですよね。あれ?と思って、あ、そうか今日は火曜日だって気づくみたいな(笑)。
(聞き手・構成/AERA dot.編集部・大谷百合絵)
【後編】<雛形あきこが語る一人娘との関係 夫の“独特な一面”も受け入れて「彼女が大人だったんだと思う」>に続く