なぜ日本人はAIに抵抗がないのか?

 ふたつ目は、とても意外なポイントです。

 日本の文化のなかで育ってきた人たちには、AIやロボットに対する「抵抗感」が少ないのです。少し詳しく説明しましょう。

 人間の代わりとなるAIロボットが安価で登場したとします。この登場については、日本人ならおそらくそこまで抵抗感なく受け入れられるでしょう。

 これまで日本で話題を集めたロボット、たとえばソニーのAIBOやソフトバンクのペッパーくん、ホンダのASIMOなどの「有名」ロボットに対して、多くの日本人はポジティブなイメージを持っているのではないかと思います。

 単に新しいものを積極的に受け入れようとする以上に、「かわいい」「賢い」などとロボットに感情移入したり、友達や芸能人、ペットに抱いたりするような感情をロボットに対して抵抗なく持てる人が珍しくありません。最近では、一人暮らしのお年寄りの孤独感を緩和するペットロボットも注目されています。

 ロボット技術が進歩して本物のペットに近づけば近づくほど、餌をやったり世話をしたりせずに済むメリットが浮かび上がりますし、いざというときに体調の変化を感じ取ったり、通報したりできるような見守りの機能も付加できます。

 この、ロボットに親しみを感じる感情、具体的にはロボットに名前をつけたり、服を着せてあげたりするような感覚は、じつは世界的に見ると一般的ではないのです。

 キリスト教的な価値観、世界観で考えれば、「人間」はあくまで神様が作ったものです。ということは、神様が作っていないものに対して、人間のように扱ったり、仲間のような感覚を持ったりすることには相当の抵抗感があることになります。厳しい言い方をすれば「排除すべきもの」と考えられてしまっても不思議ではありません。

 しかし、古来より八百万の神が存在し続けてきた日本文化では、「人間のようなロボット」に対して、宗教的な観点からの抵抗感があまりないのが実態です。

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日本人はChatGPTに肯定的