AERA 2024年7月8日号より

業績悪化による株価下落で結果的に高配当になっている銘柄は避けたいところだ。

「去年とまるっきりイメージが変わったな、というのが第一印象です。今回、新しく採用された銘柄は中小型に近いものも多い。全体30銘柄のうち14銘柄も入れ替わったわけですから、指数の連続性という点では疑問が残りますが、客観的なスクリーニング結果と割り切れば物色の参考にはなります」

営業利益の推移を見る

 これら30銘柄が全部「買い」ではない。チェックすべき点は。

「出来高が控えめの銘柄が前回と比べ、増えています。たとえば矢作建設工業は今日(24年6月20日、以下同)が4万8700株。極東開発工業が5万600株。新規採用ではありませんが、ランキング1位のナガセは1万2100株です。2位の安藤・間(54万600株)ぐらいあると安心ですけども……」

 業績面は、どう見るか。

「営業利益の推移をチェックしてください。たとえば大林組は前期15%減益からの今期17%増益予想。矢作建設工業は前期32%増益からの今期14%減益予想。アステラス製薬は前期81%減益からの今期88%増益予想。サンゲツは前期6%減益で今期16%減益予想。落ちた後の反発なのか、成長中なのか、調整中なのか。業績の居場所を知っておく必要があります」

AERA 2024年7月8日号より

業績不安定の株

 ランキング3位のLIXIL(5.36%)は新NISAでも人気だが、前期34%減益・今期53%増益予想。高配当株の常連の武田薬品工業(4.73%)は前期56%減益、今期5%増益予想。業績が安定しているとは言い難い。

「武田薬品は、いずれも前期比で21年3月期爆発的増益・22年減益・23年増益・前期かなり減益・今期微増益、という流れですね。21年の営業利益5千億円乗せでいったん天井の印象があります。それで伸び悩んでいる面もある。ただ、配当政策はきっちりしていますよ」

 ランキング上位から有名どころでいえば、育児用品大手のピジョン(5.05%)はどうか。

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