出典:サイト「食品微生物学(検査と制御方法)|基礎と最新情報を解説|木村 凡」https://foodmicrob.com/growth-temperature-basic/)から。木村凡東京海洋大学名誉教授作成

上のグラフはサイト「食品微生物学(検査と制御方法)|基礎と最新情報を解説|木村 凡」から。木村凡東京海洋大学名誉教授作成の図表です。

猛暑で増殖スピードがアップ

 近年の猛暑も温度管理の難易度を上げている。20~25℃前後で管理した場合と比べると、30℃で約2倍、35℃では約4倍のスピードで細菌が増殖することがわかっている(上の図参照 )。

食中毒菌の中にはO157など増殖しても臭いを出さないものが多いため見た目では判断しづらく、食べてから1~2日後に症状が出ることになります。また、免疫力が低い子どもや高齢者はより重症化しやすいのです」

 ただし、キュウリを1本ずつよく洗浄し、短時間冷蔵庫で保管した場合はさほどリスクは上がらないというから、味付けをしていない「冷やしキュウリ」や家庭でキュウリの浅漬けを作る場合は過度に心配することはない。

露店で注意すべきこととは

「食の安全」の確保のため、21年6月から、原則全ての食品等事業者に国際的な食品衛生管理手法であるHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務化された。

 これに伴い、各自治体の保健所は、屋台・露店の事業者に対しても原材料の入荷から最終製品の出荷までの製造工程におけるリスク管理を呼びかけている。

 以前より衛生管理は徹底されるようになったとはいえ、現実には「管理者の危機意識が食中毒の発生を大きく左右する」と五十君氏は指摘する。

 消費者側ができることは、購入の際に「ずっと低温で管理されていましたか?」と声かけを行うことだという。

「ひとつの判断基準にしかなりませんが、お店の人が『ずっとキンキンに冷やしてましたよ』と即答してくれるかどうかなど、反応を見てみましょう」

 夏祭りが残念な思い出にならないよう、お店の人とコミュニケーションを取るつもりで気軽に聞いてみよう。

(ライター 酒井理恵)

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