オックスフォード大学留学中の指導教授で世界的な経済学者のピーター・マサイアス氏と再会し歓談する浩宮さま(現・天皇陛下)。チュートリアル(個人指導)は、英国大学の伝統でマサイアス氏はその後も陛下のスーパー・バイザーを務めた=1986年、東宮御所

世界的な研究者から手厚い指導

 しかし、ケンブリッジ大やオックスフォード大には、ノーベル賞や若い数学者の業績を顕彰するフィールズ賞の受賞者など世界的な研究者が集まっており、そんな彼らから直接指導を受けることができる場所だ。世界各国から優秀な学生やロイヤル、富裕層の子弟が集まってくる理由もそこにあると、多賀さんは話す。

天皇陛下雅子さまもオックスフォードで2年間、論文の書き方やクィーンズ・イングリッシュを学ばれた。世界の大学ランキングで常に最上位グループに属する大学での留学生活は、歯を食いしばるような努力の連続であったと思います」

ご結婚の翌94年、タイから中東へ向かう政府専用機内で、資料を見るおふたり。雅子さまは外交官時代を思わせるキリリとした表情=1994年、バンコクーリヤド間、JMPA

 多賀さんも、大学で厳しく鍛えられたことが、外交官として国連関連の会議で他国の外交官と渡り合う際の強力な武器になったと振り返る。

 オックスフォードでの生活は、おふたりにとって貴重な「青春」の日々だっただろう。そして、そこで学び、鍛えられた日々が今、世界各国の王室や元首らと渡り合うおふたりの支えになっている。

(AERA dot.編集部・永井貴子) 

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