英オックスフォード大を訪問し、マートンカレッジに到着した天皇、皇后両陛下=2024年6月28日
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 英国を訪問中の天皇陛下と皇后雅子さまが28日、それぞれ留学経験があるロンドン郊外のオックスフォード大学を訪ねた。若き日のおふたりの「青春」の日々だったとともに、雅子さまにとっては外務省の職員としての留学でもあった。世界レベルの大学での厳しい「学び」と外務省職員としての職務。「過酷」な日々がおふたりを育てたと、専門家は見る。

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 当時、皇太子だった天皇陛下と雅子さまが暮らしていた、赤坂御用地にある東宮御所。

 チュニジア大使として赴任する前、あいさつのためにおふたりを訪ねた多賀敏行・中京大学客員教授は、部屋や廊下の壁にかけられていた数枚の美しいエッチング(銅版画)を目にした。

 描かれていたのは、オックスフォード大学やその周辺の、おそらく200年ほど前の静ひつな風景。

「皇太子さま(当時)と雅子さまのおふたりにとって、オックスフォードは大切な思い出でいらっしゃる。そう感じたのを覚えています」
 

英オックスフォード大を訪問し、マートンカレッジに到着した天皇、皇后両陛下=2024年6月28日

 天皇陛下の留学生活は、著書の『テムズとともに』で詳しく書き残されている。その一方で、雅子さまのオックスフォードでの留学生活の様子は、ほとんど知られていない。

 それは、「皇太子のお妃候補」についての報道が過熱していた時期でもあった。

「小和田雅子さん」が外務省の職員としてオックスフォード大学ベイリオル・カレッジに留学したのは、「浩宮」さまがオックスフォードを旅立ってから3年後のこと。

 米ハーバード大学経済学部を卒業したのち、東京大学を中退。外務省に入省して1988年から90年までの2年間、ベイリオル・カレッジで国際関係論を学んだ。
 

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目が回るほど忙しい外務省の研修生