
英国を国賓として訪問中の天皇、皇后両陛下。28日にはおふたりがともに留学を経験した、ロンドン郊外のオックスフォード大を訪れる予定だ。オックスフォード大では約100年前から多くの皇族方が学び、そして世界の王室との親善と交流に欠かせない「クイーンズ・イングリッシュ」を培ってきたと専門家は指摘する。
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「Tシャツにジーパン姿で意気揚々と夜の街に繰り出したが、ディスコへの入場を断られた」
「洗濯に挑戦して、ランドリールームが泡だらけになった」
オックスフォード大学での青春の日々を、天皇陛下は自著『テムズとともに』のなかで、ユーモアとともに振り返っている。
浩宮時代の天皇陛下は学習院大を卒業した後、23歳だった1983年から85年までの2年4カ月をオックスフォード大学のマートン・カレッジで過ごされた。寄宿舎生活を続けながら、「テムズ川の18世紀の水上交通」についての研究に取り組んだ。
そんな若き日を過ごした思い出の地を、雅子とともに訪れたい――。
陛下の願いがかない、今回の訪英の最終日に、おふたりは初めて一緒にオックスフォードを訪問されることになった。

雅子さまと秋篠宮さまは同時期にオックスフォードに
オックスフォード大と日本の皇室との関係は、約100年前まで遡る。
19歳の若き皇太子だった昭和天皇が、約6ヶ月かけて英国やフランスなど欧州各国をめぐったのが1921(大正10)年。英国王のジョージ5世の薫陶を受けた昭和天皇は戦後、このときの欧州訪問について、
「英国国王ジョージ五世から立憲政治のあり方について聞いたことが終生の考えの根本にある」
と振り返っている。
そして1926(大正15)年10月、大正天皇の次男で昭和天皇の弟にあたる秩父宮が、政治経済を学ぶためにオックスフォード大に入学。しかし、大正天皇の病状が悪化したために、2カ月あまりで帰国の途に着いている。