「この面接での虚偽の発言は懲戒の対象になりますが、よろしいですね?」
受かろうと必死で、面接でつい大きく見せたり嘘をついてしまうのは、実際に良くある話です。たとえば、面接で「御社への志望度は高いです!」と言っていた人が、入社後に「実は、それほどでもなかったんです」とカミングアウトしたとしても、まぁ一般的には許容範囲でしょう。
一方で、これから就く仕事に必要な資格やスキル、経験がないのに「ある」と嘘をついていたとすると、なければ採用しなかったわけですから、入社後は懲戒解雇になる可能性が高いと言えます。
そういう事態を避けるために、この質問をぶつけてみます。
動揺した表情を見せるのか、はたまた「全然大丈夫です!」と涼しい顔をしているのか等、その反応で違和感を抱くかどうかをチェックしましょう。
「平気で嘘をつく人」を入社させないための質問
こうした念押しをしておくのは、入社後のトラブル防止に非常に効果的です。
「(求人の職種について)充分な経験がある」とのPRを鵜呑みにして採用するも、経験などない、あるいは経験はおろか知識すらないという人を、筆者は直に見た経験が複数あります。
こうした人は嘘をついている自覚が乏しく、
「少しかじった程度でも、経験は経験じゃないですか?」
「この程度の給与でそこまでのレベルを要求する方が、そもそもおかしい」
と、反駁してきます。こうなった時に、「面接でこうした主旨を伝えましたよね? 大丈夫と回答しましたよね?」と、論理的に詰めることができます。
なお、嘘をついたから何でもかんでもすべて懲戒解雇ではなく、「それが真実(たとえば必須条件を満たしていない)だったら採用しなかった」という点が懲戒解雇の基準になりますので、覚えておいてください。
[中谷充宏/社会保険労務士、キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)]