まさに、そこに綴られていたのは愛でした。静かで押しつけがましさのない愛が、一文一文からとめどなく溢れています。静かに炎を燃やす彼女が見つけた健やかな生き方は、違いを愛すること。
世の中を善悪だけでジャッジすると、とんでもなくギスギスします。我々は、いまそういう世の中を生きている。
悪を許容しろという話ではありません。と同時に、物事は多面的であることを綴れるのが、文学やエッセイだとも思うのです。彼女の作品は、それを改めて教えてくれます。
なにを綴るかではなく、どう綴るか。連載のネタに困ってばかりの私も、自分を顧みなければならないな。
※AERA 2024年7月1日号
ジェーン・スー
(コラムニスト・ラジオパーソナリティ)
1973年東京生まれの日本人。
2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。
2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。
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ジェーン・スー
(コラムニスト・ラジオパーソナリティ)
1973年東京生まれの日本人。
2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。
2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。