瞼裂斑の症状がみられる眼球(佐々木医師提供)

サーファーも眼病リスクが大きい

 さらに、タンザニアでは50歳以上になると視力が著しく低下したり、失明している人も多くいることが分かったそうだ。

 紫外線が目に与えるリスクは、日本でも変わりない。佐々木さんは16年に、石川県の金沢星稜大の運動部の学生にも調査を行った。結果、屋外競技で「強い瞼裂斑」にかかっていた学生は屋内競技の3倍もいた。

「特にサッカー部、野球、ソフトボール部員に目立ちました」(佐々木さん)

 野球とソフトボールは帽子をかぶるが、紫外線は地面や水面からも反射する。練習時間も長い。別の調査では、サーファーもリスクが大きいことが分かり、20代で重度の瞼裂斑や翼状片になっている人が多かったという。

 佐々木さんは、「目の日焼け」による将来のリスクに備え、予防策を講じる重要性を強く訴える。外出時は帽子をかぶり、UVカットのサングラスやコンタクトレンズを活用することをすすめる。

 だが、肌への紫外線ケアは熱心な人が多く市場も活況だが、なぜか目の日焼けへの関心は低い。佐々木さんも、特に屋外スポーツをしている子どものケアを訴えるが、

「(子どものスポーツの)現場でも、関心がある人はほとんどいません。サングラスをかけても、お子さんがすぐに飽きてしまうことがあるようです」

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