英国のエリザベス女王の国葬に参列するため同国を訪問し、宿泊先のロンドン市内のホテルに到着した天皇、皇后両陛下=2022年9月17日、ロンドン
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 天皇、皇后両陛下は22日から8日間の日程で、国賓として英国を公式訪問する。歓迎行事をはじめ、チャールズ国王が主催する晩餐会などにも出席する予定だが、両陛下の海外訪問となると注目を集めるのが、その衣装。これまでに海外を訪問した皇后や皇族の装いといえば、オーダーメイドによる仕立て服が基本だったが、2年前の英国訪問で雅子さまがお召しの喪服は、上質な既製服(プレタポルテ)だった。令和に入り、皇室の装いにも変化が現れている。

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 おふたりが2022年に英国の地を踏んだのは、ロンドン・ウェストミンスター寺院で執り行われたエリザベス女王の葬儀のためだった。

 皇后や女性皇族の海外訪問では、その装いにも注目が集まる。

 参列した皇后雅子さまのブラック・フォーマル(喪服)と漆黒の宝石「ジェット」は、その品の良さで評判となった。

 すこし前までは、海外訪問時の皇后の装いといえば、専属デザイナーによる仕立ての服が基本だった。

 しかし、政府専用機で英国に到着してからロンドン市内のホテルに到着する間、雅子さまがブラック・フォーマルとしてお召しだったのは既製品の服、いわゆる「吊るし」のジャケットだった。
 

「量産品」だった皇后の喪服

 雅子さまのブラック・フォーマルのジャケットを手掛けたのは、東京・中野区に縫製工場を持つ「辻洋装店」。1947年に個人のオーダーメイドの洋装店として創業し、現在はパートやアルバイトを含め30名ほどの従業員が働いている。

 代表取締役の辻吉樹さんによると、雅子さまがお召しだったのは、日本を代表するデザイナーである故・芦田淳氏が創業したブランド「JUN ASHIDA」から量産品として依頼を受けたジャケットのうちの一着。「JUN ASHIDA」がブラック・フォーマルとして長年販売している定番のジャケットだという。
 

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皇后さまの高貴な「黒」とは