薬剤師・小川拓哉さん(おがわ・たくや)/メドピア医療機関支援プラットフォーム事業部。薬剤師。かかりつけ薬局化支援サービス「kakari」の企画開発を担当(写真:メドピア提供)
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 薬局は処方箋をもとに薬をもらうイメージが強いが、実は病院に行くか迷った時、薬剤師に相談できるという。薬剤師・小川拓哉さんに聞いた。AERA 2024年6月17日号より。

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AERA 2024年6月17日号「医師676人のリアル」特集より

 風邪を引いた後、咳だけが3週間も続く。これって本当に風邪? もしかしたら、別の病気なのかも。でも、クリニックを受診しても、「こんなことで受診したの?」なんて言われるかもしれない。

 そんなときは──。

「医療機関に行くか迷うときは、薬剤師に相談してください」と薬剤師の小川拓哉さんは言う。

「医師が患者に関わるのは治療を受ける段階になってからです。薬剤師は治療の前段階の予防や健康相談から関わることが役割の一つです」

 まず、薬局の窓口に行って、薬剤師に相談してみる。相談を受けた薬剤師が、適切に「病院で医師に診てもらってください」と受診を勧めることができる。

 とはいえ、薬局は処方箋をもとに薬をもらう場所というイメージがある。

「2019年の薬機法改正で、薬局の定義が『調剤の業務並びに薬剤及び医薬品の適正な使用に必要な情報の提供及び薬学的知見に基づく指導の業務を行う場所』とされ、調剤のみを行う場所ではなくなっています」

 だが、薬局の入り口はすりガラスで、中をうかがえず、入りづらいところもある。

「すりガラスになっているのは、患者さんへの配慮だと思います。気軽に入ってもらえたらと思います」

 薬局は、市販薬も販売している。薬剤師が、窓口で市販薬をお勧めできる。軽い症状であれば、まずは市販薬で対応する「セルフメディケーション」が進められている。

「患者さん一人一人が最適な医療を受けられるように薬剤師が相談に乗ります」

(編集部・井上有紀子)

AERA 2024年6月17日号「医師676人のリアル」特集より

AERA 2024年6月17日号